あらゆる人への"サポート"って結局何をどうしたらいいの?? ~視覚障がいを持つ人への手引き、声掛けの仕方から考えてみましょう~
企業やイベントなどで多様性(DE&I)推進を目的に登壇させて頂くことが合って、その時に頂く質問で多いのが次の質問だ。
「街で白い杖をついている方を見かけた時に、声をかけてみようかと思うのですが、どう声を書けたらいいか、その後どうしたらいいかわからない。どうするのがいいのか教えて下さい。」
教科書的に、
相手のどの辺りの位置に立ったらいいとか
身体のどこを持ってもらったらいいとか、
こういう時はこうした方がいいとか、
具体的なHOW TOのやり方を説明させて頂くことはできる。
ただ、その前に、
手引きも声掛けも、正解はなく、
"対等なコミュニケーション"
かな、と私は思う。
声掛け:
「何かお手伝いしましょうか?」
本人に聴くのである。
その人の見え方、その場所への慣れ具合、その人の意向は、その人・その時・その場所によって違う。
どうして欲しいか、もその人によって違う。
よって、時々せっかく声をかけたのに断られて、その経験を「失敗」ととらえてしまう方がいるが、そうではない。
その時のその人には、サポートが必要なかった、だけである。
外食をしていて、お店の人が追加のオーダーを取りに来ても、必要なければ「大丈夫です」と断るでしょ?それと似たようなものかもしれない。
私は、声を掛けて頂く立場として、ボールは自分が持っているのだ、と思っている。
サポートをお願いする時は、どこにつかまらせて欲しいのか、どこまで行きたくてどうしたいのか、できるだけ明確に伝えて、あとは会話を楽しむようにしている。
そして、サポートをお願いする時も、お断りする時も、
「声を掛けて下さってありがとう」の表現を伝えるように心がけている。
声を掛けてきてくれた人のお気持ちは、できるだけ素敵なものとしてお返ししたい🎁
時々、次のような"サポート"をしている人がいる:
・自分が相手を自分のしたい方向に持っていく、
・自分の思い込みで「相手にはこうした方がいいだろう」と決めつけてその思い込みを実行する
本人は無意識でも、"サポート"が"操作"に傾いている。自分のしたいことを相手がして欲しいことだと思ってしてしまっている。
もしかしたら私も時々やってしまっているかもしれない。
もちろん教育や介護などの場面では、そうせざるを得ない場面も出てくる。
相手とのコミュニケーションが難しいこともある。
だけど、本来、あらゆるサポートとは、視覚障がいのある人への声掛け
「何かお手伝いしましょうか?」
と同じ心持から行うものだと私は思う。
職場でのチームメンバーとのコミュニケーション、パートナーや子どもとのやりとり、公共スペースでの声掛けや人助け、
私たちはいつでも、サポートする側にもされる側にもなり得る。
もちろん、相手に無理に合わせましょう、なんて思っていない。
サポートとは、自分にできる範囲で、相手と違う視点で協力し関わること。
サポートとは、相手に寄り添うこと。
これからの私の育児にも、これをあてはめていきたい。