読んで体感するブログ 障がいから照らす人の可能性

可能性照らし家 西井あやな。 人の持つ可能性にわくわく。 大人になってから視覚障がいを持つ。 視覚障がいを持って働くこと、子育てすることを通しての自分の気づきと経験を惜しみなくできるだけわかりやすく表現します! 講演やお話会お任せください。ご相談やご依頼は、information.ayana@gmail.comまで、@を半角@に変えて送信頂けます様お願いいたします! 

武勇伝 子どものプールデビュー

現在開催中のパリ五輪の様々な競技をテレビで見て、子どもが「見る!」ではなく「やってみたい!」と言ったのが水泳。
早速週末に母に車を出してもらい、プール施設に出かけた。
私自身も、プールは多分10年ぶりくらいだと思う。もっと久しぶりかもしれない。

子どもがお世話になっている保育施設にはいわゆるプールがなく、6月から水遊びをしてもらっているので、本格的なプールは初めて。

今回訪れたのは屋内プール施設。
プールや大浴場という場所は、私にはなかなか動きにくい。
足元は滑りやすいし、オープンスペースで空間が広く取られている場所なので方向が取りづらく、いきなり段差や水中に落下の危険すらある。
そして35度超えの気温とギラギラ太陽。
さいころから何度か足を運んだことのある場所で、屋内の、記憶の中で館内やプールの地図を描きやすいところを選んだ。

きっと本来は水ならしの手順があるのだろうが、私にしては珍しく浮き輪だけ用意して後は予習なし。
    とりあえず、乳幼児用の浅いプールに入ってみる。
最初は子どもはおそるおそる。
浮き輪をしていても、足を床から離すのは抵抗が強い。
ただ、ハプニングでジャボンと顔が水についてしまっても思ったよりは平気そう。
これはイケルか?と思いながら、少し慣れた頃に隣の大人のエリアに移動してみる。

乳幼児エリアと大人のエリアは水中でつながっており、会談を2段降りると大人のプール。
やはり足が床に届かないのは怖いようで、すぐに乳幼児エリアに戻る。
今日はこんなところかな~、と思いながら、なんとなく乳幼児エリアで遊んでいると、子どもがおばあちゃんを探し出した。
おばあちゃんの所に行きたい、と言うのだ。
母がいるのは大人エリア。
大丈夫かな?と思いながら、子どもと一緒に大人用プールに降りると、今度は落ち着いている様子。
子ども曰く、母は25メートルの反対側の方にいるらしい。
子どもの浮き輪を引っ張りながら、時にはグルングルンと回転させたりしながら無こう側へ移動。
母の所へ到達すると、おばあちゃんは「来たの?」と驚いている。
そして今度は3人でゆっくり元の場所へ戻る。

ここで母は先にあがる、子どもはまだ遊びたいとのことで、母は荷物と椅子の置いてある無こう側へまた水の中を25メートル歩いて行った。
しばらくその場で私は子どもと遊んでいたのだが、おもむろに子どもが片手で浮き輪につかまり、もう片方の手を乳幼児と大人のエリアを仕切る柵に捕まりだした。
そして一人で25メートル先の反対側へずずいと移動しだしたのだ。
柵をつたい前進する。
黙々と。
私は娘の場所がわからなくならないように浮き輪の後ろ側に手をそえて娘の後をついて行くのみ。
柵が途切れてもプールサイドの淵をつたって、とうとう25メートル浮き輪と片手で移動してしまった。

これには私も母もびっくり。
初めてのプールでやること、の想像の枠をはみ出した出来事だった。
だって、大人の私が足の届かない深い所にいるのはつかまるところがあっても怖い。
子どもはまだその"おぼれるかも""怖い"経験をしていないからできることなのか?
やはり謎。

帰宅後も、なんであんなことをしたのか不思議だったのだが、「あぁ、そうか!」と突然腑に落ちた。
子どもはひたすらおばあちゃんの様子を観察し、真似をしたのだと思う。
私の母は足腰が弱く、高齢で運動機能の衰えもあって、水中でも捕まっていないと立っていられないとのことだった。
だから大人用のプールの端っこで柵やプールサイドの淵につかまりながら水中ウォーキングをしていた。
子どもはそれをまねしたようだ。
子どもにとっては、それが"泳いだ”経験だったらしく、帰宅後も「泳いだー!」と喜んでいた。

何にせよ、ポジティブにプールデビューを終えられてひと安心。

それにしても久々のプールは心地よかった。
程よい水圧を感じながら体を動かす全身運動がなんとも気持ちよかった。
また子どもに連れてきてもらったな。

******
講演やお話会、出演・出版依頼などご相談ください。
問い合わせ先: information.ayana@gmail.com (@を半角@に変えて送信頂けます様お願いいたします!  )
☆西井あやな プロフィール☆
・社会人になってから視覚障がいで障碍者手帳取得。
・日系化学会社、 外資系素材メーカー、 外資系製薬会社での職歴。多様性推進や人事部での障碍者採用なども経験。
社会福祉士
NLPコーチ兼セラピスト
・未婚のワーキングママ
Ayana sent from iPhone