初めての麻雀体験が拡げてくれる?点字の世界とゲームの楽しさ
先日、人生初めての麻雀を経験することができた。
学生の頃に一度興味を持ち、ぜひやってみたい、と思っていたものの、
当時の私は、少しずつ自分なりに見え方への違和感を感じながら他人から自分の様子をどう見られるのかとても気にしていた。
牌を他の人と同じ距離間でどれ位視認できるのか自信がなく、
またそのぎこちない様子を周囲にさらすのが怖くて機会を見送った。
そして現在。
今の私はあの頃よりずっと見えづらい。
牌を見分けることは難しい。
私が行ったのはブラインド麻雀だ。
ブラインド麻雀と一般の麻雀との違いは次の3つ:
・牌に透明の点字シールを貼り付けた点牌を用いる 黒地に白抜きの白黒反転で見やすい工夫も
・牌を2段重ねて並べる時に積み重ねる代わりに平坦にくっつけて並べて配置する
・捨て牌は読み上げてから伏せて置く
この状況を共有できれば、見える・見えづらい・見えないに関わらず麻雀を楽しめる。
・・・ちょーっと待ったぁぁぁ!!!
私。
点字。
読めません。。。
視覚障がいがあれば点字を読めるに決まってる!
と思っていらっしゃる方は多いだろうが、
実際の所、点字の識字率は当事者の10%と言われている。
大人になってから視覚障がいを持った私は、見えづらいが進む中で白杖の使い方や自分の見え方の把握、音声でのパソコンやスマホの使い方、家事動作などのトレーニングを受けている。
点字を扱えるようになれれば当然自分の選択肢は増える。
但し、流ちょうに扱えるレベルに到達するには相応の時間を要する。
そこに時間をかけるよりもデバイスを音で操作できるようになることの方が私の優先順位として高かった。
パソコンやスマホを始めIT技術の発達が著しい現在では、音声操作で情報収集やコミュニケーション、仕事をすることがかない、
点字を読めなくても音で本が読めてしまう。
点字を読めない私は、今回手持ちの牌の状況をボードに投影させた雀マスボードを用いさせてもらった。
このボードは私が教わった方の完全オリジナルのアイデアだが、麻雀入門者には大変わかりやすい構造になっており、
また点字が読めなくても麻雀を楽しむことができるようになっている。
何気に凄いツール。点字を読めない私にとってはバイパスを作ってもらえたような有難さ。
この雀マスボードにお世話になり続けることも選択肢の一つではあるのだが、
私は今回、少なくとも牌に用いられる文字を点字で読めるようになろうと意気込んでいる。
牌は全部で34種類。
実際には1~9までの数字と10種類の19文字の把握ができれば麻雀は楽しめるはず。
あとは私の指先の感覚が元気なことを願う。
ここではたと気づく。
麻雀のための点字。
これは私にとって他の扉を開くことにもなり得る。
トランプやUNOなどのカードゲームは本来見て行うもの。
子どもとの生活が始まり、将来的に私は子どもとカードゲームをすることは難しいのだな、と思うこともあった。
しかし、カードの隅っこに透明の点字シールの張られた点字トランプや点字UNOが商品として販売されている
今回1~9までの点字を改めてマスタースレば、マークや色など+αを覚えることでカードゲームを子どもと楽しめる可能性が大きく開いた。
いやはやいやはや。
トランプやUNOの点字版があることを知りながら、それを点字で扱おうとするモチベーションはカケラもなかったなに、
麻雀を楽しめる可能性が浮上したとたん、やる気エンジンに突如火が付いた私。
もはや燃えている。
笑える・・・(笑)
同じ方向から攻めていてもなかなか成果の出なかったとが、
思いもよらない角度からのアプローチで物事が動き出す。
こういうことってあるな、と思った。
正直、困りはしないけど、
「出来たらうれしいな、」
の一つがゲームだった。
教えてくれる環境があって、一緒に楽しめる人たちがいて、
頭を使ってゲームを楽しむことを、自分が思う以上に欲していたんだなと自覚した。
選ぶ必要はあれど、大人だって遊びは大事だ!
障がいがあったって、大人も子どもも遊びは大事だ!
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☆西井あやな プロフィール☆
・社会人になってから視覚障がいで障碍者手帳取得。
・日系化学会社、 外資系素材メーカー、 外資系製薬会社での職歴。多様性推進や人事部での障碍者採用なども経験。
・社会福祉士
・NLPコーチ兼セラピスト
・ワーキングママ