障がいから照らす人の可能性

可能性照らし家 西井あやな。 人の持つ可能性にわくわく。 大人になってから視覚障がいを持つ。 視覚障がいを持って働くこと、子育てすること、悔しさ・不安・喜びを通しての 自分の気づきと経験を惜しみなくできるだけわかりやすく表現します!

PWDAって聞いたことありますか?? ~障がい表記について~

日本では、「障がい」の表記について"がい"の字をひらがな表記するのがもっともスタンダードとなっています。
かつては、「障害」と表記していましたが
・この"害"の字があたかも当事者本人が有害な存在であるとのイメージを誘発する可能性があること
・"障害"があるとすれば、それは社会システム(制度や物理的な建物・道路など地域の環境)の方に存在するという考え方
これらの考えが主流となって、「障がい」と表記するのが一般的(多数派)となってきました。

正直なところ、私自身は「障害」でも「障がい」でもどっちでもいいかなと思ってます。
表記・表現を変えるよりももっと本質的なことの方が大切だなと思っているからです。
ただ、ことばや表現方法はとても大切だと思うし、「障害」の表現方法を用いることで傷つく人がいるならば、
「障がい「の方を使いたいな、と思います。

そうそう、私、視覚障がい者になってからスキーをしたんです。
ブラインドスキーと言って、当事者の前後をサポーターのスキーヤーが滑走し、
前後どちらかからスピーカーの声で方向を誘導して楽しむスポーツです。
ゲレンデでは、ブラインドスキーヤーもサポーターもウェアの上にゼッケン(ビブス)を着用します。
周囲への注意喚起が目的なのですが・・・。
ある団体のプログラムに参加した時、当事者のゼッケンには「盲人」と大きく書いてありました。
当時、見えづらいながらも、今よりも目でとらえられる範囲の広かった私には、この「盲人」ゼッケンを装着するのにとても抵抗感がありました。
この"盲"という漢字、つくりがとっても悲しい表現をしているなぁって。
心が突き刺さるようでした。
プログラムツアー終了時、私はこのことについて主催者にフィードバックをして、翌年からゼッケンの表記が変更になりました。

かつては、視覚障がい当事者団体の名称に"盲"の表記が使われているケースもいくつか見られましたが、
元号が令和になったころからでしょうか、名称変更されている団体が多いですね。
この"盲"という字に抵抗感を覚える人は私だけじゃなかったんだなー、と思いました。

さて、ここで、英語表現についてもみてみたいと思います。

PWD: People with Disability

この表現が使われることが多いのですが、
一方、日本語と同じように、"Disability"の単語を用いることに懸念を示す人も一定数います。
なんてったって、Ability(能力)を否定語disを使って打ち消したような成り立ちになっている単語ですから、不快感を示す人は少なくないでしょう。

近年では、PWDが発展して、
PWDA:  People with Different Ability
もしくは
PWDA: People with Diverse Ability
とあらわすこともあるようです。
Different Abilityは、普通とは違った能力、 さらに Diverse Abilityは多様な能力 をあらわした表現です。
・・・なるほど~!
考えましたね!!

とも思うのですが、
率直に。
もうDiverse Abilityまでいってしまうと、そもそも、障がいのあるなしに関わらず、人類誰でもみーんな、多様な能力が備わっているよね?!
もはや、障がいのある人を特定した表現以上の言葉になっているなぁと思います。

発想は素晴らしいと思うのです。
特性・特徴を持つ人々を分類する表現が必要な場面ももちろんありますが、
そもそも、人と人の境界線の高さが低くなっているってことなのかなーブラインドスキー

と私は思いました。