見え方に不便さを感じることが増え、
自分の担当業務で以前よりも何倍もの時間がかかりダブルチェックをしてもミスが出てきてしまうようになった。
このまま仕事を続けるのは精神的にも状況的にも厳しいと感じた。
自分の過去の経験や、今までの知識、試行錯誤では、状況を打破できなかった。
私の頭に浮かんだのは、専門家を訪ねることだった。
餅のことは餅屋に、という例えがあるが、これは
その道のことはその道に専門的に携わる、その道に精通している人に頼るのがおすすめ、といった意味である。
視覚障碍者の生活やコミュニケーションにおいても、餅屋はある。
早速、移動、コミュニケーション、日常生活などを扱う視覚障害を持つ人のためのサポート機関に問い合わせ、場合によっては実際に訪問し見学を下。
その中で、時間、場所、環境、内容などそれぞれの特徴と自分の状況を照らし合わせ、お世話になる所を決めた。
勤務先は退職するつもりで上長と話を下。
結局私は勤務先を休職して、サポート機関で知識とスキルの習得をさせてもらうことができた。
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もうこれも振り返ると10年前の話。
今でも専門機関で集中的に時間を取れたことはとてもよかったなと思える。
相談先の相手も場所もたいていの場合複数ある。
相手も選べる。
場所も選べる。
タイミングも選べる。
自分で選んでいいのだ。
カンセラー、コンサルタント、当事者、先輩、弁護士、社会福祉士、ファイナンシャルプランナーなどなど。
日本は国民的に第三者の相談先を利用するのに奥手なところがあると思う。
課題は誰にでもある。
自分じゃどうしようもできないことも当然ある。
壁にぶつかった時、困った時、
第三者のその道の経験者や専門家に相談してみると大きな突破口になることがある。