障がいから照らす人の可能性

可能性照らし家 西井あやな。 人の持つ可能性にわくわく。 大人になってから視覚障がいを持つ。 視覚障がいを持って働くこと、子育てすることを通しての自分の気づきと経験を惜しみなくできるだけわかりやすく表現します! 講演やお話会お任せください。ご相談やご依頼は、0707gifts@gmail.comまで、@を半角@に変えて送信頂けます様お願いいたします! 

当事者の思い込み ~近頃の福祉教育事情~

娘がまだ保育園にお世話になる前のこと。
天気がゆるせば毎日おんぶして白杖片手にお散歩をしていた。
お散歩道は車通りの少ない歩きやすい道を選んでいる。
その日はお散歩が午後の時間帯になった。

往きに通った公園の脇道。
公園で男の子が2人遊んでいるのがわかった。小学生くらいかな?
低学年は学校終わって公園遊びかー。

娘に話しかけながら進む。

散歩道でまた別の公園を通ると、ちょうど自転車でその公園に向かう子どもたちとすれ違った。
室内遊びが好きな子もいれば、外遊びが好きな子もいるよねー。

いつもの散歩コース。さて、そろそろ家に戻ろう。

家の近くに差し掛かったころ、

パタパタパタ

私の後方で足音がした。

誰か来た。ちょっと急いでいるみたいだし、私を追い越して先に行ってもらおうかな。

私が敢えて歩くペースを落とすと、

あれ?足音が止んだ。

不審に思って、今度は早歩きをしてみる。

パタパタパタパタッ

足音も小走りに・・・。こわっ

ん?小さな声がする。
「もうやめようよー。」
ひそひそ話の子どもの声。

白い杖を突いているのが珍しいのだろう。
からかいか・・・。

私はいやな気分で思い切って振り返った。

すると体格の違う男の子が2人。

私が振り返っても逃げはしない。

「あのー」
前方にいた大きな男の子が話しかけてくる。

「どうしたの?」

「そこまっすぐ進むと車にぶつかりますよ。一緒に歩きましょうか?」

!!!

なんと!最初の公園で擦れ違ってから私たちの様子が気になって追いかけてきてくれていたらしい!

私の幼少期は、見た目が他の人と違う子は、どちらかといえばからかわれるか、距離を遠ざけられるかのどちらかの対象だった。
だから私はからかわれるのだとばかり思っていた。
しかしこれは私の経験から出来上がった思い込みだった。

私は男の子に
「ありがとう、大丈夫よ。」と返す。
そしてまた振り返って家への歩を進めた。
その瞬間

「ぎゃははは!」

どうやらもう一人の男の子が大笑いをしている。
声を掛けた男の子をからかっているらしかった。

***

後から思えば、あの時、男の子にお願いして一緒に少し道を歩いてもらえばよかった。
少し話をしながら。
そうしたら男の子の成功体験に協力ができたかもしれない。

近頃は小中学校・高校での地域福祉教育も以前より積極的に機会が設けられているようだ。
また、NHKの教育テレビ番組 Eテレでも多様性を意識したものが増えている。
様々な障がいをテーマにしたプログラムもある。

当たり前を当たり前に行うようになっただけ、かもしれないが、
私の子供の頃は、これが当たり前ではなかった。

子ども達の当たり前に自分の思い込みを気づかせてもらってよかったと思うし、
親世代の当たり前にも少しずつパラダイムシフトが進んでいることを肌で感じることができている。
この変化の過渡期を経験出来ていることはとても貴重だと思う。